設立目的

Purpose of establishment

設立目的

 京都大学医学部附属病院では、背景で述べたクリニカルバイオリソースインフラを整備するため、ワンストップバイオリソース事業が構想され、品質保証された約4,600例(2019年2月末日時点)の時系列サンプル及びデータベース化された臨床情報を有するキャンサーバイオバンクと、検体保管システムに実績を有するティッシュリサーチプロジェクト(現・生体試料保管・管理部門)を基盤として、2017年11月にクリニカルバイオリソースセンター(以下、「センター」という。)を設立した。

 また、センターの設立に続き、ヒト生体試料の利活用において新たなエコシステムを確立するため、シーズ探索、研究支援を可能とする世界トップレベルの基礎研究実績を有する京都大学と、株式会社エスアールエル、株式会社椿本チエイン、シスメックス株式会社、株式会社インテージヘルスケア、株式会社島津製作所、富士通Japan株式会社及び株式会社SCREEN ホールディングスの7社が共同して、2018年3月に株式会社KBBM(以下、「KBBM」という。)を設立し、それぞれの研究基盤、事業基盤を活かした新たな産学連携(「産」in「学」モデル)を構築した。

 京都大学は世界最高水準の層の厚い基礎研究実績と、世界最高水準の高度に整備された病院情報システムを有している。それらに加えて、先制医療・生活習慣病研究センターと連携することで、健常者の生体試料も収集し、医学的な「健康」群を比較対象とすることが可能である。さらに、2020年度には次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT)が開設され、今後ますますのARO強化、産学連携強化、早期探索臨床試験の加速が見込まれている。

 これら京都大学の強みに加えて、7社を結集することで、臨床研究・臨床試験・治験の全てをOne Stopで完結することができるようになる。バイオリソースの高度な品質管理、情報セキュリティ管理やトレーサビリティ管理が可能になり、採取~搬送~前処理~保管~廃棄に至る高度なプロセスを構築することが期待される。また、広範囲で高度な分析技術によるオミックス解析も可能となる。

 上記クリニカルバイオリソース事業では、本学が有するリソースを利活用し、アカデミアにおける研究開発を加速するとともに、わが国におけるメディカルイノベーションに貢献することを目的としている。これにより国内医療産業の活性化を図り、国民健康の向上ひいては世界の医療への貢献を目指す。

 この事業の中で、センターは以下の役割を担う。

  1. 生体試料の収集・保管・管理
  2. 個人情報管理
  3. 生体試料の利活用の審査
  4. 生体試料を採取する臨床研究支援
  5. クリニカルバイオリソース保管および分析データ管理
  6. 事業を担う人材育成

事業実施による社会貢献

事業目標

アカデミア等で発見または開発された有望なシーズを効率的かつ迅速に医療現場に届けるため、ヒト由来生体試料「クリニカルバイオリソース」に研究開発の早期の段階からアクセスし評価ができる研究基盤を構築し、わが国におけるメディカルイノベーションに貢献する。

事業実施による社会貢献
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〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
次世代医療・iPS細胞治療研究センター 2階

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