センター長からの挨拶

Greetings

センター長挨拶

京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター長 武藤 学

京都大学医学部附属病院 クリニカルバイオリソースセンターは2017年11月に設立されました。2013年から、がんセンター内に設置した「キャンサーバイオバンク」において、がん患者さんのご協力による生体試料(組織や血液の一部)を集め、臨床情報とセットでデータベース化し、医学研究に利活用してきましたが、センターの設立によって、がん以外の生体試料も取り扱うこととなりました。

これまで、センターの趣旨にご理解をいただき、がん治療を受ける患者さんの96%にご協力を得ています。この御厚意にこたえるためには、おあずかりしたサンプルを、社会のために役立てなければなりません。

一方で、従来のバイオバンクは、多くのサンプルを集めることに力を注ぎ、病気の治療や早期発見につながる研究などへの利活用がなかなか進まない課題がありました。生体試料が利活用されるために最も大切なのは、収集される「生体試料の品質」とそれに紐づく「臨床情報の質と量」です。

センターでは、電子カルテからのオーダーにより、病院の通常の採血業務や生検業務の中で生体試料が収集されます。また、その温度や条件などの管理ログが記録され、品質は外部機関の認証を受けています。生体試料を活用される側のニーズに対応するため、ご要望に応える=on demand型の収集も行います。

また、2018年3月には京都大学の一般社団法人(クリニカルバイオリソースガバナンスホールディングス)と賛同する企業7社による新規事業会社である株式会社KBBMを設立しました。KBBMは、センターで収集した生体試料の効果的な利活用を進めるための、社会貢献を目指す企業です。同社設立後、様々な問い合わせをいただき、ニーズの多様性も明らかになっています。

センターは、患者さんのご協力による「バイオバンク」を、これまでご説明したようなインフラ機能を十分に備えることで、「利活用される資源」を意味する「バイオリソース」とすることを可能にしました。

臨床研究の推進と発展のために、微力ながら貢献していきたいと考えています。今後ともよろしくお願い申し上げます。

京都大学医学部附属病院
 クリニカルバイオリソースセンター長
同 病院長補佐
京都大学医学研究科 腫瘍薬物治療学講座 教授

武藤 学

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